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愛しのバニー~Bad Romance~
第4章 明日翔
画面にうつる裸の女の柔らかな肉体の感触を想像し、
越智明日翔は痛いほどに勃起した。

小さなスマホの画面の中で、
ベビーピンクのうさ耳を頭に付けた女が、
白い太ももを大きく開いて、
茶色くて薄い陰毛をむき出しにして男のものを咥えこんでいる。

肌は白く、
腕とウエストは頼りないほどに細いのに、
乳房だけはたっぷりと大きく、
まるで重みのある液体が流れるように、
男の律動に一拍遅れてたぷんたぷんと波打っている。

「どう? みんなに見られてる気分は」

二人の粘膜同士が絡みつく音が、くちゅん、くちゅんと聞こえる。

「だめぇっ・・・感じちゃう、感じちゃうう」

発情期の猫のような女の声がそこに重なった。

夜のコンビニエンスストア。

中学二年生の明日翔は、
クラスメイトの鈴木廉太郎と学習塾の帰り道に店の前に座り込み、
頭をこすり合わせるようにしてスマホの映像をのぞきこんでいた。

画面に映っているのは、
素人のアダルト動画投稿サイトだった。

「なあ、似てないか? 月子先生に」

女の顔のほとんどはマスクに隠れていて見えなかった。

「わかんない。顔はほとんど見えないし」

明日翔は首を横に振った。

胸が、早鐘を打つ。

演劇部の発声練習で聞く月子先生の声と、
動画の喘ぎ声はたしかによく似ている。

一方で、
顧問として台本の制作から演出まで、
細やかに指導してくれる、あの真面目で優しい月子先生が、
こんな大それたことをするような人だとは思えなかった。


まっすぐに前髪を切りそろえた黒髪に、
細いふちの眼鏡。

白いワイシャツの上に
グレーのフード付きパーカが月子先生の定番のスタイルだった。

体のラインを隠していても、
動きに合わせて重たげに揺れる爆発的な乳房は、
分厚いスエット生地くらいではごまかすことは不可能だった。

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