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ココロのアナ
第11章 過去

あぁ…まだ寝てるのか俺は。
いい加減起きなきゃな。
寝過ぎだろ…
暗闇には何もない
時折過去の俺が泣く姿を見るだけ…
起きてどうする?
何もないなら起きなくていい…
でも起きなきゃって思うのは何故?
なにか大切な事忘れてる…
思い出さなきゃな…
ほら…あれ…
あれだよ…
喉まで出てくるのにな…
もどかしい…
でも大切な何かを思い出す為に
重く閉じされた瞼を持ち上げる。
「ッ…」
目を半分ほどあけ眩しくて顔を逸らす
あぁ…体痛いな…やっぱり寝過ぎた…
寝ぼけた頭で考えてみるが
やっぱりおかしい…
俺まだ寝てるのか?
家ぢゃない…
暫くすると声が聞こえた
「起きましたか?」
あれ…えっと…
名前が出てこない…
でもこの雰囲気知ってるな。
「寝過ぎだって」
ん…だからほら…
お前の名前思い出してんだろ…
「ァ、サヒ…」
忘れるわけないだろ
こんな意地悪そうな顔…

