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人類救命
第3章 里見詩織26歳VS香城=マッシュルーム=丈也
「皆さんはじめまして。私は人口保護局の生殖技能士香城丈也といいます。」
拙いな。緊張のあまり自己紹介初っ端から声が上擦ってる。
大体服装がいかん。
経費で買った紺のイタリア製高級スーツ
白いワイシャツ
ネクタイ
革靴
こんな畏まった格好するの成人式以来だぞ。
ネクタイなんて締め方判らないから局員の女の子にやって貰ったくらいだ。
それに一人称
なにが「私」だ。
普段のワイがいつ出るか心配で仕方がない。
そんな内心の焦りをポーカーフェイスで抑え込んでいるワイに20人の小学5年生の少女達の視線が集まる。
今日は小学校を訪問しての女児対象の性教育の出張授業だ。
「まずは生殖技能士ってどんな仕事か判る人挙手!」
パラパラと手が上がる。
「じゃあ、そこのメガネちゃん、答えてくれる?」
「はい。赤ちゃんを作るお仕事です。」
「う〜ん。間違ってはないんだけどそれじゃあ工場でロボット作ってるみたいでやだな。」
惚けた言いようにクスクス笑いが起きる。
「もっと具体的に答えてもらおうかな。そこのツインテールちゃん!」
「え?え〜っと子供を作れない男の人の代わりに女の人とセ・・・セ、セックスして妊娠させる事・・・です。」
「御名答。皆拍手!」
湧き上がる拍手に真っ赤になるツインテールちゃんに着席してもらって話を続ける。
「君達は小学校に入って今日まで何度か性教育を受けてきたと思う。今日はその総浚い、君達にはこれから本物のセックスを体験してもらいます。」
途端に蜂の巣を突いたような大騒ぎ。
「はい!静かに!体験と言っても君達にセックスしろとは言ってません!」
やっと少し静かになったところで話を続ける。
「今日は里見詩織先生に人口保護局の面談室に入ってくるところから演じてもらいます。」
児童の視線がワイから隣に立ってる女性に移る。
6年2組の副担任里見詩織。
昨日からカテゴリーレッドに入ったので急遽このプログラムを捩じ込んだのだ。
「じゃあ、里見先生お願いします。」
促されドアの外に消えると
コンコンコンコン
ノックして教室に入って来ワイの前の席に座る。
「はじめまして。生殖技能士香城です。まず、自己紹介して貰おうか。」



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