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天狐あやかし秘譚
第22章 【第7話 ホシガリ様】異聞奇譚(いぶんきたん)
「もうすぐですよ!綾音さん、気を確かに持ってください」

宝生前さん。意外に男前だし、親切なんだけど、土御門や御九里とは違った意味で、マイペースな人である。見た目は渋めの男性なのだが、なんというか、興味を惹かれるものを目の前にすると、子どものように好奇心を丸出しにし、嬉々として熱中してしまう・・・、要は学者肌の人なのである。

今回の任務は、宝生前と私達とで、あの浮内島で数十年に一度不定期で行われる『輿入祭』(こしいれまつり)という奇祭について調査することである。

なんで調査する必要があるかというと、その理由は大きくふたつ。ひとつは、陰陽寮がそういった日本で執り行われている祭祀についてのデータを集めているということ。そして、もうひとつは、土御門曰く『その祭、なんや怪しんよね』ということだ。どうやらこの祭、祀っている神が邪神であり、生贄の儀式が行われている、という噂があるというのだ。

『前回の輿入祭は約30年前に行われたのですが、その時調査に派遣された宮内庁の陰陽師はふたりとも島から戻ってこなかったんです』

瀬良が土御門の横で事務的になかなか恐ろしいことを言う。
それって絶対なにかあるじゃん!・・・というわけで、現時点で陰陽寮最大火力であるダリと、そのお供である私が調査補助に選ばれた、というわけだ。

あ、間違えた。本当は私が主でダリがお供でした。公式には・・・。

現代日本で、生贄だの邪神だのというのが本当にありうるのかわからないが、その点も含めて調査するのが今回の旅の目的だ。戦闘はないに越したことはない。

実際、宝生前は戦闘能力はほとんどなく、むしろ、こういった珍しい祭祀についての研究を主として行っているのだという。陰陽師というとみんながみんな術を駆使して悪霊と派手に立ち回る・・・みたいに思っていたので、こういう学者肌の人がいるのは意外だったが、宝生前によれば、『戦う陰陽師の方が少ないです』ということだった。

土御門率いる祓衆こそが陰陽師の中では特異部隊ということだそうだ。
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