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天狐あやかし秘譚
第50章 【第11話 管狐】辺幅修飾(へんぷくしゅうしょく)
☆☆☆
管狐とは、一種の使い魔である。その名前の起源は、術者によって細い管の中で飼育されていることに由来する。使い魔や式神の類なので、伝達や呪法の媒体などにも使われるが、最も多い用途は『呪殺』である。呪いたい相手の元に管狐を送り込み、その邪気で対象者を弱らせたり、不運を起こさせたりする。
日本全国で管狐に関する伝承は多く存在し、その呼び名もオサキギツネ、シロギツネ、イヅナなど様々であるが、全て同じモノだ。使い魔の中では比較的弱い部類に属するため、管狐をプロの呪殺師が使うことは稀である。その使用者の多くは、呪術を少しかじっただけの素人か、もしくは『狐憑きの家系』と言われる、代々管狐を子孫に伝えている家柄の人間である。

ただし、弱い部類、と言っても使い魔であることは間違いないので、明確な悪意のもとに送り込まれれば、通常の人間は影響を受け、病気になったり事故に遭遇し、下手すれば命を落としかねない。

そんなモノが島本にまとわりついている。もしかしたら、先程言っていた離婚調停などは呪いの影響かもしれない。

祓うか?
そう考え、懐に手を入れる。そこにはいつも常備している石針の入った金属ケースの感触があった。

しかし、ケースの感触を確かめただけで、私はその手を戻した。

ダメだ。
今、管狐を祓うのは簡単だが、術者を見つけないことには同じことが繰り返されることになる。

しかし、どうやって見つけようか。
一番いいのは、島本自身に恨みを買うような覚えがないかどうか尋ね、動機の面から術者を洗い出すことだ。しかし、何となくそれはためらわれた。

気のいい島本に、誰かに恨まれている可能性を示唆する事など、あまりしたいことではなかった。

残りの手段は、管狐を捕獲して呪力の痕跡を辿るか・・・・だ。

素人が使っている術なら、呪力痕跡を消したり、『逆凪』(さかなぎ)と言われる呪力の逆流を防ぐような措置もしていないだろうから、意外と簡単に辿れるかもしれない。

それでいくか・・・
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