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【お題小説】浴衣姿のパートさん(13ページ完結)
第1章 【夏風邪】

「えっ?なんでっ? 痛かったっ???」


立花さんは声を荒げてました


ボクは説明しました


昔から勃ちが悪かったり、何とか硬くなったとしてもナカ折れしてしまったり

精力が他の人より弱いみたいなのでゴメンね、と謝りました



「私はいいんだけどさぁ、アンタまだ若いのにどうするのよ、これからっ!?」



立花さんは病院に行け、とか薬を探せ、とか助言してくれたんだけど


精力が弱いのはそのまま心臓も同じことが言えるみたいで

別に大病になったことは無いのだけれど、以前心電図の検査の時に“ちょっと影があるね”と言われたりもしてました



たいてい勃起不全の薬は心臓に負担がかかるとの事なので薬は投与されたくないなぁ



立花さんとは少し話しをしたあと、遅くならないように早めに帰ってもらいました


帰る間際、ドア越しに「今度はえっちしようね」と言い残して帰っていきました


なんだかサトル君に申し訳ない気持ち


静けさを取り戻したアパートですが外ではまだ太鼓の音が鳴っています

盆踊りはまだ終わりそうにもありません


さっきまで立花さんが座っていたところにビニール袋が落ちているのを見つけました


中にはスーパーボールやお菓子などのお祭りの景品に紛れて、ペットボトルサイズの長い筒のようなものがありました


万華鏡です



こっそり覗き込むと、キラキラと模様が変わっていく様子が懐かしい



万華鏡を眺めながらボクも少しだけ夏祭りを楽しんだような気持ちになりました





【おしまい】




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