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第9章 あの男が再び!!売れないホスト&ＡＶ男優ー涼ー

モニターを見ていた智樹は、慌ててミサに尋ねる。

「これってどうなった？また会える事になるのか？」

ミサはバカな子供を見るような呆れた目で見つめてくる。

「会えるわけないじゃない……前にも言わなかったかしら？ココちゃんは死ぬより辛い目にあうって……」

「………そっか……このあと……ココはどうなった……？」

「それから数日で、事務所から解雇されたわ。それに……」

恐る恐る尋ねる智樹に、解雇された事を告げたミサは、パソコンのモニターに、今の心結の現状のネットの様子を映し出した。

SNSでの誹謗中傷の数々。

そして、まな板ショーを撮影していた誰かのスマホから、ネットに流出している様子が、智樹の目に飛び込んでくる。

「酷い……ココは何も悪いことをしてないのに……」

呆然としている智樹に、ミサが冷静な口調で呟く。

「これがデジタルタトゥーよ……
ネットから動画を消しても消しても、一生ココちゃんのいやらしい動画が、地球上に出回る事になるわ」

「炎上って一時的なものなんじゃないのか……？」

「確かに素人なら、そのうち忘れてもらえるけど、この子は数万人のファンを持つ地下アイドルのトップ。
顔を知られてる以上、家から出ることすら、辛いでしょうね……」

「もし整形で顔を変えれば……」

何とか解決しようとする無知な智樹に、説明してくれるミサ。

「顔を変えても、名前を変えても、ネット民は暇だから追いかけてくるわよ。
就職。結婚。そんな普通の人生すら歩ませてくれないんだから……」

何も悪い事をしなくても、必ず自分の事が嫌いなアンチと呼ばれる者が存在する。

その者達が考える謎の正義を振りかざして、壊れてもいいおもちゃとして扱われる。

それは10年、20年先でも、何かを見つけたら炎上させようとする。

その者達の承認要求の為に。