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第1章 悪魔のサキュパスーミサー

「もう別れよう……ごめんね……」


小さな田舎町で家族同然に育った、隣の家に住んでる初恋同士の幼馴染み。

永遠の絆だと思っていた幼い恋は、中学の卒業式の日に始まり、4か月後の夏休み前に終わった。

心結から電話で、そう言われて……。

心結と一緒の学校に通うために、智樹は毎日、彼女から勉強を教わったが不合格。

下のランクの学校に通うことを余儀なくされた。

だから二人の絆を繋ぐ為に、中学の卒業式の日に智樹から告白して、めでたく恋人になった。

別々の高校になっても、以前と変わらず仲が良く、毎日顔を合わせていた二人は幸せな時間を過ごしていたはずなのに。


広沢 智樹(ひろさわ ともき)高校1年生

可愛らしい顔立ちで、奥手な純情少年。
心結を子供扱いしてバカにしたり、無駄に心結を嫉妬させるような、下手な恋愛の駆け引きをしたり。
好きな子に少し意地悪をして構ってもらいたい。

そんな思春期の男子あるあるの典型のような少年。
それでも心結を守りたい気持ちは強く、いざとなると熱くなって守る事もあった。


早瀬 心結(はやせ こころ)高校1年生

小柄で幼さの残る少女。智樹からココと呼ばれている。
智樹以外の異性に人見知りで、押しに弱い大人しい一面がある。
智樹にバカにされると、冗談ぽく怒ったり無視したりするが、次の日には何事もなかったように接してくれるお姉さんのような存在。

小学生の頃から毎朝智樹を起こしてから登校するのも、宿題の面倒を見るのも、高校に入った後も変わっていない。


しかし二人に亀裂が入ったのは、高校1年の夏休み前の7月15日。

幼かった初恋は終わりを告げた。