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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第16章 心結の妄想の世界で…ー智樹ー
初恋の幼馴染みだった頃に過ごした、思い出の教室で二人きり。

窓から差し込む夕陽が、放課後に残っている二人を優しく照らしている。

心結が智樹の方に体を向け、少し恥ずかしそうに話しかけた。

「ねえ、今日のことなんだけど……智樹くんって……キスしたことある?」

少し頬を染めた心結は、相変わらず可愛らしい。

その照れた表情に、智樹の胸がドキッとする。

「えっ、キス……?」

少し間を置いて、智樹は腕を掻きながら答えた。

「……まぁ、一応……あるけど?」

その仕草を見た心結は、口元に手を当てて小さく笑う。

「ふふっ、そっか。あるんだね……智樹くんって可愛いし、女子の先輩に人気あるもんね?」

笑顔でそう言う心結だったが、その目は智樹の嘘をつく時の癖を見逃さなかった。

ふふっ……

智樹くんは、嘘をつく時に腕を掻くもん。

絶対ないんだ……。

完全に見透かされているとは知らず、智樹は少しムキになって返す。

「じゃあ、心結はどうなんだよ?どうせないんだろ?」

「えー、あるよ?」

心結は悪戯っ子のように笑って答えた。

「幼稚園の時に、智樹くんとしたもんっ!!」

「おいおい、幼稚園の時はノーカウントだろっ!?」

「えー。いいじゃん別に~」

心結が笑うと、智樹も同じように笑い出す。

放課後の教室に、二人の笑い声が響くその空間は、心結の頭の中で、思い描いていた理想だった。

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