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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第1章 悪魔のサキュパスーミサー
7月15日ーーー

もうすぐ夏休みに入る嬉しい時期。

下校時間に一緒に帰っている最中、心結は無邪気に話していた。

「涼さんが学校帰りにご飯連れてってくれたんだ~」

「涼さんって高校生なのに一人暮らしって凄くない?」

「涼さんのワンルームの部屋で勉強を教えてもらった~」

相槌をうちながら、思わず表情が歪んだ。
何度も涼の名前を口にしていた事に、嫉妬してしまったのだ。

ココは涼って人が好きなのか……?
部活の先輩って、ココを奪うつもりじゃないのか……?
俺の知らない奴に近づくなよ……

思春期の男はどうしても恋愛経験が浅く、こんな風に恋人の話に出てくる男に嫉妬して、束縛してしまう。

そこでこんな駆け引きに出た。

「涼さんって奴がそんなにいいなら、そっちと付き合えば?」

怒りに任せたその言葉。

心結から待っていた返事は、
「涼さんと、もう会わないようにするから」である。

しかし心結は震える声で、必死に自分を正当化しようとした。

「涼さんには彼女さんがいるから大丈夫」
「涼さんは私の事を妹みたいにしか思ってないから」

何度も「大丈夫」を繰り返す心結。

しかし、智樹にはその言葉は届かなかった。
嫉妬に駆られ、智樹はさらに心結を追い詰めてしまう。

「涼さんと距離を置かないなら、別れよう」

心結を試すように、別れの言葉を切り出した。

心結が別れるなんて言うはずがない……
涼と話さないようにしてくれるはず……

智樹の言葉に、心結の表情が曇っていく中、家に到着した。

二人で交わした小さなバイバイが、本当の別れになるなんて、智樹は思ってもいなかった。

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