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My hero(マイヒーロー)
第1章 My hero(マイヒーロー)
 1

「ただいまぁ」
 わたしは久しぶりに、そう、約2年振りに実家に帰ってきた。

「あれ?」
 だが、玄関のカギは開いていたし、玄関框の廊下の奥のリビングからは物音が、いや、テレビらしきの音が聞こえていたので母親は居る筈なのだが…

「………」
 無反応なのだ。

 昨夜、LINEでこの時間の帰宅の連絡はしてあり、そして既読になっていたから知っている筈…

「ただいまぁ」
 もう一度声を掛けたのだが…
 返事、応答が無い。

 え、まさか?…
 わたしはこの状況に、もしかしたら母親がリビングで倒れているんじゃないのか?
 と、とっさにそんな想いが浮かび上がり、慌ててリビングへと向かう。

「きゃあぁ」
 
 その時だった…

「えっ、なにっ、お、お母さんっ?」
 リビングから母親の悲鳴が聞こえてきたのである。

「お母さんっ」
 わたしは慌ててリビングのドアを開け、そして、飛び込んでいった。


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