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第9章 紫の女

裕美はキッチンで鼻歌を歌いながら夕飯の支度をしている。


裕美の好きな絢香だ。


腹の虫が夕飯の匂いに反応した。


「は〜い！出来たよっ」


ダイニングテーブルにデデンっと大皿にチャーハンてんこ盛りで乗せた。


「さあ、食べよう！」


食卓には俺と裕美だけ。


俺達夫婦は三人の息子がいるが、長男は春から地方に就職、次男は海外留学、三男は高校で部活で帰宅はいつも10時過ぎ。


現在三人で生活をしているが、三人の息子がいた頃と変わらない量を作るのが裕美はなかなか抜けないようだ。