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お題小説 labyrinth(心の迷宮)
第1章 ラビリンス(labyrinth)
 3

 とりあえずわたしは、あの夢のせいの寝汗の不快感を消したくてシャワーを浴びようと、隣で眠っているこの男を起こさぬようにそぉっとベッドから起き上がり、バスルームに入った。

 ジャーーー……………

 そしてカラダを洗い流しながら今夜の事を…
 いや、今夜の流れを思い返してく。

 
 出会いはあのバーだった…

 会社の帰りになんとなく少し飲みたいなと、たたまたまフラっと寄ったあのバーで…
 彼を見た瞬間、わたしの心はまるで一目惚れかの様に激しくときめいてしまったのだ。

 別に彼がとりたててのタイプでは無いし…
 特にものスゴくカッコのよい色男的でも無かった。

 どちらかといえば普通の、ごく普通にありふれたタイプの男…
 そう、いわゆる量産型といえる様な本当に普通の感じといえるのに。

 だがなぜか、ただ普通に清潔感を感じただけだったのだが…
 あんな簡単に口説かれてしまうとは思いもしなかった。

 だけどなぜかわたしの心は、この男に声を掛けられ、いや、ナンパされ、声を聞き、顔を見た瞬間に…
 それはまるで一目惚れかの様に、魅かれ、惹かれ、心をときめかせてしまい、一瞬にして陥ちてしまったのである。

 なぜか…

 そうなぜか…

 わたしは一瞬にして彼の存在感に心を奪われ、惹かれ、魅かれ、ときめいてしまったのだ。

 ジャーーー……………

 あぁ…

 そしてそんな事を想い巡らせながらシャワーを浴びていると…

 ズキズキ…
 と、また再び、奥から昂ぶりが疼いてきたのである。

 え?…

 なんで?…

 こんな事は、いや、こんなカラダの奥からの疼きを感じるなんて初めて…

 なぜ?…

 わたしは彼をまた求めているのか?…

 ズキズキズキズキ…
 
 ますます奥から昂ぶりが疼いてきていた。

 ザワザワ…

 そして心がそんな不惑な想いに戸惑い、揺れてくる…



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