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女旅芸人衆の淫ら旅
第1章 第一章 医は妊術なり
「今や手形がなければ藩に入ることも出ることも出来ない有り様だからねえ…
ほら、引き返してくる人がいるだろ?
あの人たちは手形を持っていなくて薩摩に入ることが許されなかった人たちだよ」
年増のおなごから説明を受けて良案は青ざめてしまった。
自分とお瞭も通行手形なるものを所持していなかったからだ。
「何て事だ!これでは日の本に蘭方医学を広めるどころか長崎の出島に引き返して何処にも行けないということではないか!」
お瞭さんも怒っていたことさえ忘れて心配そうに良案の顔を見つめていた。
「蘭方医学?あんた、医者かえ?」
「ええ、まあ…有名な蘭方医に師事してまして、
そんじょそこらの町医者よりは医術の心得があります」
「何だい、それならそうと早く言っておくれよ
私たちは旅芸人一座なんだけどね、
見世物小屋で芸を披露する度に誰かが怪我するんだよ…
だからさ、あんたたち、うちの一座の専属医として同行してくれないかえ?」
「しかし、僕たちには通行手形がありませんし…」
そこは蛇の道は蛇って言うだろと
一座を取り締まる年増女が懐から大層な書面を出した。

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