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微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として】





この後どうする?ホテル行く?
ううん、違う
旺志郎くんはね、もっと焦らさなきゃいけないの
後悔させない為にもブレーキかけてあげなきゃ



「まだ一緒に居たいです」は想定内
手を握られて目で訴えてくる
直視出来ないフリも愉しいよ



「うん、またデートしよ?楽しかったね」


「はい、めちゃくちゃ楽しかったです、一華さんもそう思ってくれたなら嬉しい」



もうご飯も食べたし、お酒もセーブしたの知ってるでしょ?
ほろ酔いなキミはとても美味しそうだけど、簡単には堕ちてあげないの



袖口抓んで甘えないでよ
年下ってズルいなぁ、そういうのさせたら無敵じゃん



「僕、明日仕事休みです」


「うん、私はあるの」


「終電で帰るから」


「それ一番信用出来ないやつ……んふふ」


「一華さんは僕と居たくないの?」


「返事、焦らないで待つんじゃなかったの?」


「うぅ……はい、待ちます」


「じゃあ、タクシー乗って帰ろう?住所言える?」


「ん……はい」



タクシー乗り場のベンチに座り、待っていたら
肩に頭乗せてきて「デヘヘ」って可愛い酔っ払いめ……
ねぇ、ちゃんと帰ってよ?
帰ったら連絡してねって聞けてるかな?



「絶対いつか、お持ち帰りしてくださいね」


「あはは、男の人がそれ言うの初めて聞いた」


「約束ですよ?次は何処デートしましょうか?」


「うんうん、シラフの時にまた決めよ?」


「僕、一華さんの部屋に行きたい…」


「私の部屋?うーん……」



理性保つかな?ってボソッと言ったのにムクっと起きてトロンとした目を向けてくる



「覚悟しててください……僕の事、好きにしてみせます」



言うだけ言って、今度は膝枕……
お酒、弱過ぎじゃない?
仕事柄、あまり飲まないもんね……







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