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微熱に疼く慕情
第2章 【動き出す熱情】
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めっっちゃ時間かかったけど全部やらせた
「美味しい!やば!」って頬張る
「自分で作っても美味しいでしょ?」と
口元についたルーをティッシュで拭いてあげる
「一華と作ったから倍、美味しい」
「ん……あっそ」
「エヘヘ」
「ちょ、何?」
テーブルに並んで座ってたら少し距離を詰めてきた
やめて、見つめるな、食べろ
「嬉しい、一華と居る…」
何か居た堪れなくなってテレビをつけた
バラエティーがやってて、まだ同じところで笑ったり
同じタイミングでお茶を飲んだり、
同じタイミングで食べ終わったりするんだ
「え、プレステあるじゃん!」
「あぁ、同僚が新しいの買うタイミングで譲ってくれてさ」
「え?」って固まったら
「違う違う!男!」って慌てて訂正してる
だよね、まさかこの家に当時の浮気相手だった人の私物とかあったらコ◯スよ?
絶対ないからって言葉、今は信じるからね?
「じゃ、やろうよ」
「一華、出来るの?」
「得意ではないけどしてみたい」
「OK、やろやろ」
久しぶりに格闘ゲームして白熱してしまった
もう1回……もう1回……と粘ってみたけど
大智には勝てなかった
「負けたー!」と仰向けになる
「手加減出来なかったわ」ってイラッてきたが
気持ちの切り替えは割と早い方
「よし、作り置きしよっと」と再びキッチンへ
ゆっくりしてて良いよって言うのに
チラチラ見るなら手伝って
「え〜凄い、そうやってするんだ」
「え、早い早い、今何したの?」
あーうるさい、気が散る、導線上に居るな
「なんかマジック見てるみたい」
最後に大智ごと消してやろうか?
「味見する?」
「え、したいしたい!」
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