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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第109章 スタイリストの独り言
監督が気に入った子だと露出をさせる確率が上がる。羞恥で撮影中に泣き出してしまう子も少なくなかった。なので監督の好みでない子のほうが平和に終わって私の精神衛生的に良いのだ。今日もそう願うばかり。


「キミ、今日のモデルが楽屋入りしたけど冴えない子だからなんとか見れる程度にしといてくれる?」

「はい。」

「あーあ……今日もハズレかぁ。」

ため息をつく監督、だけど私にとってはアタリだ。監督のあの顔は乗り気でない時の顔。

「ラッキー」

モデルの楽屋まで行きノックをする。

コンコンコン

『はいどうぞ。』

女性マネージャーが招き入れてくれた。

「おはようございます。スタイリストです。」

「よろしくお願いします。」

楽屋には今日のモデルらしき女の子?がいた。
デニムパンツに大きめのパーカーを着た姿はもしロングヘアーでなけれは男の子と見紛うファッションだ。

(なるほど監督の言うとおり確かに冴えない子だな……)

「Rikaさんですね。お持ちの衣装を確認させてください。」

「は、はい。」

可愛らしい澄んだ声はアニメの女の子のようだった。

最初の衣装はモデル本人の持ち込みと聞いていた。皺や汚れなどあると困るので一応確認する。

「アイロンがけをしますので一旦お預かりしていいですか?」

「あ、はい。」

「その間にこれを着用しておいてください。」

いつもの白いビキニの水着を渡す。

「えっ、いきなりビキニですか?!」

毎度の反応。その度に同じ文言を少女たちに伝えている。

「ああ、えーと。下着代わりなんです。万が一“見えてしまって”も下着ではないという予防策といいますか……ですのでビキニ姿を撮影するという訳ではないので安心してください。あくまで服の下に着るものとお考えください。」

「わかりました。」

そりゃあいきなりビキニを渡されたら驚くよね。ただでさえ疑心暗鬼で臨む撮影。少女たちが敏感になる気持ちもわかる。


更衣スペースに少女を案内しカーテンを閉めてあげる。その間に持ち込みの衣装にアイロンをかける。
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