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第115章 美幸との再会

梨果は私が先日買った“週刊文夏”の父親と自分の記事を読んでいた。

「これって美術展でお父さんの取材に来たはずなのにほぼ私への興味本位な記事になってるよね。」

「そうだね、セクシャルな質問も多いし芸術性は地を這うほど低いね。まぁそういう週刊誌だから下世話なもんだよ。」

「そっか。お父さんももっともっと業界に認められればいいのにな……」

「美術系のまともな取材も来てるとは思うけどね。」

「だといいけど……」


ピンポーン♪

誰か来客のようだ。

「俺出るよ。はーい！」

友也が玄関へ対応しに出てくれた。

「あわわわわわ！みみみみみみみ美幸さん！！」

（えっ？いま何て？）

「父さん！！みみみ美幸さんがいらしたよ！」

血相を変えた友也が居間に飛び込んできた。

全員で玄関へ急ぐ。

「こんばんは。」

「み、美幸さん……」

家の玄関にあの真田美幸が立っていた。地元中学校のセーラー服姿なので学校帰りかと思われる。

「おじさま、お久しぶりです。今更合わせる顔がなかったのですがどうしてもお礼が言いたくって……」

あの日私は美幸の人生の選択肢を前に梨果を選んでしまった。梨果を選んだことに後悔はないが、そのせいで美幸には地獄のようなつらい目に遭わせてしまうことになった。

（合わせる顔が無いのは私の方だ。）

「美幸さん……私こそ君に合わせる顔が無いんだよ。」

「そんな事ないです。私が最低でした。あの日おじさまを……そして梨果ちゃんを裏切ってしまった。」

「と、と、とりあえず上がってよ。」

そう言い友也がスリッパを用意する。

「いえ友也くん……私はここで……」

「いいから上がって。せっかく来てくれたのに。」

「そうだよ美幸ちゃん、上がって。」

梨果と友也が居間へ通す。