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午後四時までの性隷
第2章 きっかけはゴシップ誌

きっかけは一冊のゴシップ誌でした。
夫が持ち帰ったものです。
「どうしたの?こんな雑誌…」
「うん…。うちの会社が載ってるんだ」
ゴシップ誌らしい書き方でした。
お家騒動がどうしただの、背景には女同士の戦いがあるだの、見出しを見るだけでもそのくだらなさがわかります。
「こんなの持ち帰ってきて…。皐月に見られたら叱られるわよ」
中学校三年生という多感な時期の娘が、こんなゴシップ誌を目にしたらどうでしょう。
きっと「パパ、エロい!」とか「最低!」とか言われるはずです。
娘がお風呂に入っているタイミングで帰宅してくれたことが救いでした。
「ごめんごめん。今度の資源ごみの日に出しておいてよ」
夫は謝ってくれたものの、悪びれる様子はありませんでした。
私はゴシップ誌を娘の目の届かない場所に隠し、夫の食事の用意をしました。
やがて娘がお風呂から上がり、話題は自然とテレビに映るお笑い芸人になっていきました。
家族団欒になったことで、私はそのゴシップ誌のことをすっかり忘れてしまいました。
その週の資源ごみの日の朝、溜まった新聞や紙ごみをまとめていたときですら、その存在は頭の中から消えていたのです。
夫が持ち帰ったものです。
「どうしたの?こんな雑誌…」
「うん…。うちの会社が載ってるんだ」
ゴシップ誌らしい書き方でした。
お家騒動がどうしただの、背景には女同士の戦いがあるだの、見出しを見るだけでもそのくだらなさがわかります。
「こんなの持ち帰ってきて…。皐月に見られたら叱られるわよ」
中学校三年生という多感な時期の娘が、こんなゴシップ誌を目にしたらどうでしょう。
きっと「パパ、エロい!」とか「最低!」とか言われるはずです。
娘がお風呂に入っているタイミングで帰宅してくれたことが救いでした。
「ごめんごめん。今度の資源ごみの日に出しておいてよ」
夫は謝ってくれたものの、悪びれる様子はありませんでした。
私はゴシップ誌を娘の目の届かない場所に隠し、夫の食事の用意をしました。
やがて娘がお風呂から上がり、話題は自然とテレビに映るお笑い芸人になっていきました。
家族団欒になったことで、私はそのゴシップ誌のことをすっかり忘れてしまいました。
その週の資源ごみの日の朝、溜まった新聞や紙ごみをまとめていたときですら、その存在は頭の中から消えていたのです。

