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Memories of 1994 露出少女A
第2章 塾講師
人にもの教える側の人間として、真面目に講義を聞き、わからないところをそのままにせず、聞きに来ると、当然、教えるわけだが、それ以上に、『頑張れ!』『頑張っているね!』という気持ちになり、熱いものが湧いてくるものだ。

路子は、熱意もあったし、質問をするにしても、自分なりに考えた末に、『わからない』ではなく、『■■■■で、△△△△だから、○○○○だと思った』と、自分の考えを伝えてきた。

だから、どこで、何を間違えたのか、容易にわかる。こちらも説明をしやすい。それだけでなく、自分の考えをまとめて伝えるという練習は国語力をアップするうえで重要であり、俺は、それを講義でも伝えていた。それを実践しているのか、それとも、もともとそういう躾をされているのか、そこはわからなかったが、俺は路子に好印象を持っていた。

路子を控室で教えることが日常化してきたのは、年末だった。『マサル学院』では、遅い時間帯の講義や質問や自習室を利用する塾生には、保護者のお迎えを要請していた。

結果、俺が帰途につく時間と、路子が帰途につく時間が同じになることがあった。

教室のエレベーターを降り、一階のホールに出ると、路子の母親が待っていた。

40歳くらいの目鼻立ちの整った可愛い雰囲気の母親。年齢的なものか、若干、太っているのは、愛嬌だったが、

「いつも娘がお世話になっております」

と、頭を下げる母親。そんなことが何度かあったのち、クリスマス直前に、路子の母親から、

「先生。クリスマスイブの夜のご予定はありますか?」

と、聞かれた。あるわけがなかった。

「特にありませんが」

と、謹直な顔で答えた。なにか、お誘いか?と思わなかったわけではないが、22歳の俺に、40歳くらいの母親。なにか起こるはずもなかったし、路子の母親もそんな雰囲気でもなかった。

「我が家のクリスマスのお祝いに、お招きしたいのです」

と、路子の母親が言った。

「ご迷惑ではありませんか。私は、どうせ、一人で寂しい夜を過ごす予定ですから、お招きということでしたら喜んで参ります」

と、俺は心を弾ませながら話した。言った通り、予定はない。そして、一人で下宿のマンションで過ごすことになるというのは既定路線だった。
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