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大きなクリの木の下で
第1章 初めて見せた弱さ

「ね、今夜の事は誰にも言わないでね…
酔いつぶれるまで飲んだくれる女だなんて最低だから」
「ええ、誰にも言いません
それよりも着替えを取りに一度帰宅しないと…」
気づけば東の空がぼんやりと明るくなっていた。
失禁をしてしまい、ショーツはおろかスカートまでもぐっしょりなのだから、出勤するにもこのままでは着てゆく服がない。
「その通りね…お世話をかけておいて申し訳ないんだけれど、
お世話ついでに何か着るものを貸してくださらない?
この格好じゃ帰るに帰れないから」
「じゃあ、僕のスポーツウェアを着てください。
それなら多少ブカブカでも変じゃありませんから」
竹本のジャージに身を包んで、スマホでタクシーを呼び寄せた。
彼の家を出てタクシーに乗り込むと、羞恥心に苛まれた。
『私…あの人に見られちゃった…』
襲われても当然のシチュエーションにも関わらず、手を出さなかった竹本をちょっぴり見直した。

