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レッスンの仕方が間違っている!
第9章 3次審査まであと2日
「あ~!よく知ってるね!!誰かに聞いたの?」

 ニコニコしながら顔を見てくるデザイナー。

 近くないか?
 いや、普通か……
 採寸してるんだし。
 でも流石に……

「あっ……」

 六斗の持つメジャーが胸板のあの辺りに食い込む。

「あぁ!ごめんごめん何かお話が楽しくって、つい締めちゃった!あははっごめんごめん。」

 てへっ、とかこぼしそうな感じで言うデザイナー。

 故意にやったのか!?
 何この人、全然読めない!!
 これでも5年の付き合いなのに。

「いや、実は奏太がその場所に住んでて……あ、今はもう通称『特別寮』って呼ばれてるんですけど。」
「ふ~ん。そーなんだ。じゃぁやっぱりあれ本当だったんだぁ……。」
「え?何がですか??」

 メジャーを引き出しに仕舞い、新しく布を出す。

「もー服着て良いよ。功ちゃん何飲みたい?」
「コーヒーで。それで?」
「まぁまぁ、慌てなさんな~。」

 功は大人しく従って、コーヒーを待つことにした。
 ちょっと待てよ?
 ってことは。
 あの洋館はこの人の代からあって、あそこは創立40周年で。
 この人の時はまだ寮じゃなくて……なのに使ってて……!!!?
 確定じゃねーか!!

「はい、コーヒー。」
「有難うございます。」

 六斗は功の目を見て察したのか珍しく、はぐらかさずに話を始めた。

「実はね、もー社長と弟くんからも聞いてると思うんだけどね……」
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