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レッスンの仕方が間違っている!
第9章 3次審査まであと2日
「RIKUさん俺、奏太からは寮費はタダってきいてたんですけど?」
「そっかぁ、だからか。それに2人ともまだ社会人じゃないしね。親御さんも亡くなってるし……書類とかの管理は泰ちゃん親代わりもんね~。兄弟2人が知らなくても、どちらかが書類に目を通してるのは確実だけど……この場合は弟くんの方が書類に目を通してたってことだね。」

 心なしか空気が重くなってきてないか?
 学園からの書類の管理はアイツに目を通して決めさせてたから……
 俺も悪いのか。

「具体的に、S★Pへの就職って、今耳にしたところスタッフだけなんですか?」

 腕組を解いて、首を横に振る六斗。

「企業連帯ってことだから、ある意味寮生の人材を本社に横流しするってことなんだ。だから弟くんの場合は、モデルとしてうちに来るってことになるかな?泰ちゃんは社長兼任で今も、モデル業は続けてて、他にやり手社長ってので取材あるけど。」

 じゃあ俺……昨日アイツにまずいこといったかも。
 本業どっち?とか、論外なネタじゃねーか!
 謝んねーと。

 少し俯き加減になった功を見て六斗は心配そうな顔。
 だから話の方向を軽く変えた。

「でも善い弟くんだねっ。泰ちゃんが金銭面のバックアップしてるのは事実だけど、功ちゃんがそれを前借りって形にして、仕事で返してるのを知ってるからの行いじゃない!?」

 誇らしそうに言って六斗は紅茶を口に持っていった。

「俺アイツにそんなこと、話した覚えないです。でも知ってたんですね……泰知さんが話したのかな。」

 最後の台詞は独り言のように口から出た。

「あ!すみません。社長に限って個人情報の漏洩はしないですよね。」

 出過ぎた言葉だったと、咄嗟に口を抑えて軽く頭を下げた。
 六斗はそれに何ら気にした様子はなく、話を続けた。

「ふふっ、そーだね!泰ちゃんはそんなことしないよ。でも僕は1つ社長から漏洩されたかも?奏太くんについてねっ??まぁ、あれは事故だったけど。」

 思い出し笑いを堪えて六斗は功の目を見る。

「泰ちゃん的にもアレは悩んだ結論だったんじゃないかな。特寮生になるのには審査があるらしーよ?まぁ、僕には通わせる子供もいないし聞き流してたんだけど。あ!奥さんは居るよ?」
「居たんですか……」

 思いの外リアクションが薄くなった自分に驚いた。
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