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レッスンの仕方が間違っている!
第9章 3次審査まであと2日
「当たり前です、有名人が何を……それより、さっきからエレベータを開けたまま其処に立たれると、中に入れないんですが?」

 工は率直に告げる。
 早く仕事を片付け1人になりたかった。
 だが向こうにぺーすを崩す気配は無い。

「それを有名人に言われてもね……あぁ困ったわ。どううしようかしら?」

 頬に細い指先が目立つ手をあて、上品そうな困ったのポーズ。
 そもそもそこに上品とかあるのか定かではないが。

 急に何なんだ!?
 困ったって……変な人だな。
 それよか早く退けよ。

「13階に『今日中ならいつでも構わない』、と言付かった用事があったのだけど……」
「なら入口塞がないで下さいよ。13階に行くんでしょう?」

 功は当たり前に思うことを、当たり前に言った。
 向こうは退かずに口を開く。

「でもその前に六斗に会っておこうとね?でも目撃者がいやんじゃ……後にしようか悩んでるとこよ?仮に今日中でもプライベートを優先するのを見られちゃね。」
「や、大袈裟な!目撃者……ってぇえ!!!?RIKUさんと知り合いですか??」

 そんな悩むことじゃないだろ!!
 会話中ずっと時間稼ぎしてたのか、この人。
 でも迷惑で、何か憎めない。
 自由人。

 功は本日何度目かの驚きに対し、我ながら驚く。
 もうこれ以上驚くことも無いと思っていたから。

「幼馴染なの。」

 そーいうことか……
 成程、納得。
 でも歌うったって本職は『モデル』なんだな。
 やっぱり……

 相変わらず、開け放たれたドアの境界線を挟んでの立ち話。

 これって業務妨害とか、知らない内にやってそうだよな……?
 ったく!どーするか?
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