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レッスンの仕方が間違っている!
第11章 3次審査当日
 休日の朝は車も人通りも少ない。
 それは経験上身に染みてる。
 勿論今日も欠かさない。
 特別な日でも日課は同じ。
 生活サイクルは変えない。

「はぁはぁ」

 走る。
 本社まで。
 違うのはルートと、目的地があることだけ。
 ペースも変えない。

「もう着くなぁ……」

 あれ?
 こんな時間帯に珍しい。
 僕くらいの歳の人が何人か歩いてる……
 今日どっかでライブなんてあったっけ?
 それにしたって今度は人数が少なすぎる。
 邪魔だなーっ、横並びになって歩かないで欲しい。
 遠回りになるけど曲がってルート変えようかな?

「うわぁッ!」

 曲がってすぐ人にぶつかった。
 咄嗟に謝ろうとしたが、目を開けるとそこには……

「近江、司……?」

 尻餅をつき、その男の顔に驚愕の表情をする椿。
 忘れもしない、この顔。
 散々椿を弄んだ男。
 トラウマ。
 反射で背中がぞっとし、悪寒が走ったのがわかった。
 額に冷や汗が滲む。
 ニヤニヤと笑いを含みながら、椿を見下ろす男。
 ゆっくり手を差し伸べられる。
 手を取るべきか、振り払うべきか……

「よぉ、椿。この間はよくもあんな恥かかせてくれたな。おいおい、そんな怯えるなよ??取って食う訳じゃぁないんだから。」

 相変わらず良い声をしている。
 差し伸べられた手を取ろうとした瞬間、手首を掴まれる。

「!?」
「手ぇとったよな?」
「何……だよ??」

 恐る恐る男の手から目線を外し男の顔を見上げる。

「ちょっと付き合いなよ?これでチャラにしてあげるから……KOUにも黙ってな?」
「……!!」

 助けを呼びたいのに、怯んで声が出ない。
 震えどころか、体が動かなくなってしまった。
 そもそも呼んでも、最悪の状況にしかならない気がしていた。
 タイミングが良すぎる。
 そうとも椿は本能で感じていた。
 男が助けを呼ぶのも可笑しいと思われるに決まっている。
 何故なら椿の場合には特に、それなりに筋肉もついていて、自分で十分対処出来ると取られるはずだから。
 何より今は誰もかもがグルに思え、信用できるような心境ではなかった。

 落ち着け……落ち着くんだ。
 今日は3次審査で。
 あと少しでで受付は開始なんだ。
 なんとかしないと……!!
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