この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
レッスンの仕方が間違っている!
第4章 3次審査まであと7日
「椿……」

 自分で言っても響かない。

 変だ、僕。
 KOUはどうなんだろ?
 僕だってKOUって呼んでるし。
 サークルの仲間にも、KOUとか、KOUさんとか、KOU様とか言う人いるし。
 僕もKOUでいいんだよね!!
 呼び捨て、生意気かな?

 首を一人かしげ、腕時計を確認する。

「そろそろ8時だし、間に合わなくなる。」

 椿はまた走り出す。
 赤いジャージ……やはり目立つ。





「椿ーーーっ!!」

 前方から呼ぶ声。

「……!!」

 やっぱ……KOUに呼ばれると、耳が擽ったい。
 何でだ?
 あ、今日はちゃんと変装してるんだ。

 グレーのパーカーにジーンズ。
 目深に被ったキャップ。
 ピアスは相変わずの紫。
 ジーンズに両手を突っ込み、カフェテリアから椿を見下ろす。

 かっこいい。

「今日は宜しくお願いします!」

 その場で足を止め挨拶。
 そのままカフェテリアから外に繋がる煉瓦造りの階段を上がる。
 木製のベンチ付きテーブルに腰掛け長い脚を組む功が振り返る。
 ようやく席についた椿は、何やら視線を感じ周囲に目を走らせる。
 鈍感な椿でもわかる。
 周りには早朝でサラリーマンや、OLばかり。
 皆オフィスワークに終われている。
 出勤前のブレイクタイムだろう。
 珈琲の香りが仄かに鼻孔を掠める。

 ということは……

 椿は店内のカウンターで、何やらコソコソ此方を伺っている女のウェイター達を見つけた。
 正体を知る知らないはともかく、功のことを話しているのだろう。
 椿はそんな風に思っていた。
 否、彼女達の目は待ち合わせた椿にも向いていた。
 そんなことは露知らず、椿は功に向き直る。

 やっぱかっこいいもんな。
 いーのかな。
 KOUには可愛い女の子がいいんじゃ……

「御注文をどうぞ。」

 え!?呼び出しボタン押したっけ?

 功はあまり気に留めない。
 成る程いつものことらしい、と椿は解釈。

「何頼む?モーニングでいいか??」
「はい、じゃぁモーニングAセットを。」
「Aセット2つ。」
「かしこまりました。」

 女性ウェイターは注文をとると小走りに店内に戻る。
 それを合図の沈黙。
 帽子を目深に被る功の表情は読めない。
 椿は急に焦り出す。
 そんな椿を功は見ていた。
/142ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ