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レッスンの仕方が間違っている!
第4章 3次審査まであと7日
『Aセットになります。』

 何故か今度は2人が。
 机の両サイドから同時に、プレートがスムーズに乗せられる。
 カナリアモチーフの皿とプレートが、テーブルに映える。

「御注文は以上で宜しいでしょうか?」
「それでは……ごゆっくり~。」

 何だか椿には、最後の言葉が意味深に聞こえた。

「正体、バ……バレてません、よね?」

 椿は不安気に、去るウェイター2人を眺めながら無意識にこぼした。
 敬語で。

「敬語禁止……椿、忘れたの?」

 表情が帽子の鐔に隠れて見えないのがまた、椿の緊張に拍車をかける。

「ぅ……」

 功は、バターが程良く染み込んだホットケーキをナイフで切り分ける。
 それから最後に全体に蜂蜜をかける。
 それをフォークに一欠片刺し、丁寧に蜂蜜を塗りたくる。

「それ、かけすぎじゃ……ングッ」



 %$#¥@€°&!!!?



「ケホッ……ケホッッ」


 口の中に、むせかえるような甘い蜜が広がる。
 というか、椿はむせかえっていた。

「功っ……水ッを……ケホッ、ケフッ」

 離れたコップに必死に手を伸ばす。
 が……?

「グイッ」
「!?」
「ンッ……ふ、ぁ……」

-ゴックンッ……

「ハァ、ハァ……ハァ……」

 視界がぼやける。
 息が……苦しぃ。
 喉が熱くて。
 何だ、これ……

 何が起きたのかわからない。
 ただ目の前には、片手にフォーク。
 もう片方は頬杖をついて、不適な笑みを浮かべる功が居た。
 確信犯だ。
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