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レッスンの仕方が間違っている!
第5章 3次審査まであと6日
「ここでウィチウェイ。そのままAメロの振りに戻って、裏取りで後退してっ!ジャンプ。」
椿はランニングコースからやや離れたいつもの場所、と称される公園に来ていた。
遊具では、小学生くらいの子供が遊ぶ。
「こっからサビで聴かせるんだよね~。」
溜め息混じりにベンチに腰を落として瞼を閉じる。
首筋に額から出た汗が伝い、Tシャツにじわじわ染み込んでゆく。
「お兄ちゃん!」
「え?」
横から声をかけられ、間抜けな声が出てしまった。
見ると隣に小学生くらいの白いキャップの少年が座っていた。
「ダンスやってるの?」
「そうだよ。見てたの??」
「うん!楽しそうだったから。」
「そっかぁ。君もやる?」
「え!?」
目を丸くして自分を見てくる姿が可愛い。
弟とか、いいなぁ。
「やってみない?今日は忙しいけど、来週とかになればゆっくり教えるよっ!」
「ほんと!?やったーっ!!」
「大体週2はここに来るから・・・・・・」
「連絡先教えればいーんじゃない?」
成る程、今の小学生は手が早いんだな。
「あぁ、そっか。うん。」
「貸して!」
少年は椿のスマホを慣れた手つきで操る。
「はい!」
「ありがと。」
にこっと椿は少年に笑いかける。
「お兄ちゃんいくつ?」
「二十歳だよ。君は?」
「一馬でいいよ。13。小学生じゃぁないよ??」
「ごめん、小学生かと思ってた。僕は椿って言うんだ。」
「女の子みたい。」
「ぇ!?名前が?」
「違う、全部。」
「……」
顔を仄かに桃色に染めて一馬は目を逸らした。
それを全く気にしないのが椿。
だから話を続ける。
「名前なら言われたことあるなぁ。でも全部ってっ、あはは……初めて言われた。」
「彼女とか居ないの?」
「ナイナイ。」
「彼氏は?」
「!!」
「居るんだ。」
「それこそナイナイ!!」
「じゃぁ何で黙ったの?」
一馬は無邪気な顔を椿に向けてくる。
椿はランニングコースからやや離れたいつもの場所、と称される公園に来ていた。
遊具では、小学生くらいの子供が遊ぶ。
「こっからサビで聴かせるんだよね~。」
溜め息混じりにベンチに腰を落として瞼を閉じる。
首筋に額から出た汗が伝い、Tシャツにじわじわ染み込んでゆく。
「お兄ちゃん!」
「え?」
横から声をかけられ、間抜けな声が出てしまった。
見ると隣に小学生くらいの白いキャップの少年が座っていた。
「ダンスやってるの?」
「そうだよ。見てたの??」
「うん!楽しそうだったから。」
「そっかぁ。君もやる?」
「え!?」
目を丸くして自分を見てくる姿が可愛い。
弟とか、いいなぁ。
「やってみない?今日は忙しいけど、来週とかになればゆっくり教えるよっ!」
「ほんと!?やったーっ!!」
「大体週2はここに来るから・・・・・・」
「連絡先教えればいーんじゃない?」
成る程、今の小学生は手が早いんだな。
「あぁ、そっか。うん。」
「貸して!」
少年は椿のスマホを慣れた手つきで操る。
「はい!」
「ありがと。」
にこっと椿は少年に笑いかける。
「お兄ちゃんいくつ?」
「二十歳だよ。君は?」
「一馬でいいよ。13。小学生じゃぁないよ??」
「ごめん、小学生かと思ってた。僕は椿って言うんだ。」
「女の子みたい。」
「ぇ!?名前が?」
「違う、全部。」
「……」
顔を仄かに桃色に染めて一馬は目を逸らした。
それを全く気にしないのが椿。
だから話を続ける。
「名前なら言われたことあるなぁ。でも全部ってっ、あはは……初めて言われた。」
「彼女とか居ないの?」
「ナイナイ。」
「彼氏は?」
「!!」
「居るんだ。」
「それこそナイナイ!!」
「じゃぁ何で黙ったの?」
一馬は無邪気な顔を椿に向けてくる。