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レッスンの仕方が間違っている!
第5章 3次審査まであと6日
「いや、驚いただけだよ。あとは、冗談だと思って。女の子に聞くならわかるけど、僕にそれを聞くのはちょっとね。」
「でも好きなら男か女かなんて関係ないって優兄が言ってたよ?」
「そ、そーなんだ。あんま考えたこと無いな。」

 椿は苦笑いするしかなかった。
 頭の中では複雑に沢山の椿が議論していた。

 あれ……なんで功の顔浮かんでくんだろ?
 ナイナイ!!
 僕に限って。
 記憶に新しい友達だからだよ。
 憧れもあるし。
 そうだって!
 多分……

「一馬!」
「え?」「あ!」

 ベンチに座る2人の声が重なる。
 椿は公園の出入り口で少年を呼ぶ、心地良い王子声の主を見つけた。

 王子声?としか椿は言い表せなかった。

「優兄ぃ~!」

 一馬が鉄砲弾のように青年の方に駆けていく。
 つられて椿も立ち上がり、歩いて一馬の後を追う。

「ぁ、あの・・・・・・こんにちは。」
「優兄ぃ!この人椿って言うんだよ。」
「一馬、目上の人にはタメ口聞いちゃ駄目って言ってるよね。」
「あの、いいんです。僕がそれをお願いしたんで。」

 実の所そんな事実ないが、椿的は緊張でどーでもよかった。
 普段緊張をあまり見せない椿が、あからさまに緊張したのは、彼の容姿だった。

「優兄ぃ見ても何も言わないんだな。やっぱ椿って面白いよなぁ。」
「え?」

 咄嗟に出たのは一馬のこの奇妙な台詞に対しての驚きだった。
 そしてこの一馬の台詞の意味を、椿は後になって知ることなる。
 無論、何も言えなかったのは、彼の美しさに緊張していただけだが。

「優兄ぃ、椿も優兄ぃと同じでダンスやってんだよ!凄い上手かった!!」
「んー知ってるよ、一馬よりもね。」
『?』

 今度は彼の口から奇妙な台詞が。
 そこで椿と一馬は顔を見合わせた。
 一馬がわからないのでは、流石に椿も不審に思った。

「じゃぁ、帰ろっか。夕方までに帰すようおばさんに言われたから。」
「え~!!いろいろ意味わかんないしっ!後で教えろよ?優兄ぃ~。」
「では、うちの一馬が世話になりました。次会うとき何かお詫びしますね。」
「じゃぁーなぁ椿ぃ~!」

 椿は公園の出入り口に立ち尽くしたままで、一馬の挨拶も耳に届いていなかった。
 ただ、王子声の主の笑顔もまた、王子スマイルだったと椿は胸中で頷いた。
 椿の中で彼は、一点の曇りも無く王子だった。
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