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レッスンの仕方が間違っている!
第6章 3次審査まであと5日
 曲のかかりが遅い。
 何でこの2人は口喧嘩みたくなってるんだ??

「俺は椿が気に入ったの!真人には関係無いだろ!!!?」
「はァ?千歳の分際でーーーーェエ!俺なんか入学式から目ェつけてたぜ!?」

 目ェつけて……たぁあ!?
 無いだろ、真面目に。
 嘘だと言って欲しい……
 噂かと思ってたけど、ガチだったんだ。
 知りたくなかった。
 しかも、こんな形では。
 あはは、夢がいーなぁ。
 空が霞んで見える。

 椿は大き過ぎる誤解をしていた。
 いや、彼は悪く無いのか?
 あぁ、もはやどーでも良いか。

 金沢 真人大学2年生。
 ダンスが趣味らしい、族に加入、更にはヤのつく方々ともお知り合いとか?
 なぁ~んて噂……無いだろ!
 って思ってたら、マジだったんだ!!
 もう僕命ないかも。
 どこで間違ったんだ!?
 早く流れてよ……


「let's breakin!!show me?」

 来たッーーーー!

 椿の目の色が変わる。

 あぁ……野次馬うざいなぁ。
 ったくっどーして僕が……
 フッ……考えてもなぁ。
 まぁ、もー始まっちゃったし?
 やるしかないよ。
 よし、腹くくった。
 行きますかぁ!

「……ニィッ」

 薄く開いた椿の口の端が上がる。
 普段の椿からは検討もつかない豹変っぷり。

「hey look me guys!」

 椿はありったけの掛け声と共に、4連続バックで広場の中心に躍り出る。
 滑らかに着地!
 そのまま俯き、仁王立ち。

 さぁ、ステージの開幕だッ!!

「1・2・3・4・5・6・7・8……」

 先程の喧騒が嘘のように塗り替えられ、ただ椿の発する英語のカウントだけが、広場に響いていた。
 椿が声出しで踊るのは稀だ。
 更に、目を引き付けるにはそれが最適と踏んでのこと。
 計算通り、野次馬の目は一瞬にして椿に集められる。
 時が止まった……と誰もが思ったその矢先!

「wait!!」
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