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レッスンの仕方が間違っている!
第7章 3次審査まであと4日
「お待たせ。一応カルピスにしてきた。大丈夫かな?」
「ありがと。何か意外なチョイスだね。」
「考えてみたらカフェインあんま入ってないのは難しかった。ひとまずお茶と果実系は論外だけどね。」
「へ~全く知らないや。」
「何歌う?楽しむとこから入らなくちゃだからね。」
「確かにっ。」

 椿は笑って頷いた。
 今日初めての会話らしい会話かもしれない。

「それから今日は発声を正しく変えるだけ。」
「へ?それだけ!?」
「それだけじゃないけどな。」

 男の顔が見るからに企み顔になる。

 何だろ……何かの危機を感じる。
 気のせいだと良い。

「発声変えるのは簡単じゃないから、耐えてね?」
「耐える、んですか?」

 軽く意味がわからなくなってきた。

「じゃぁ『KOU』の『E.T.C.』入れるから。1番だけで切るから聴いてて?」

 あ、功の曲だ……!!
 この人も好きなんだ。
 ちょっと嬉しい。

 男は音量調節をした後、マイクを取る。

 思えば、何故この時男がこの歌を選んだのかよく考えるべきだった。
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