この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
レッスンの仕方が間違っている!
第7章 3次審査まであと4日
「あれ……何で。」
椿の目が開く。
「起きたのか?」
思い出したくない!
問われてもいないのに、ただ頭には拒絶しかなかった。
椿は声を発するや否や、功の背中に顔を埋めた。
本人は知らん顔だが一般人にとって、半裸の芸能人が大の男を背負い闊歩する姿は、目を向けすぎる訳にはいかない代物だった。
故に、幸か不幸か……勿論のこと、集るファンは皆無だった。
遠巻きに見る一般人。
記者も居たかもしれない。
それでもやはり、彼にとっては問題無いのだろう。
「……」
「暫く寝てて良い。」
返事が無くても功は気にしなかった。
ただ安心して欲しかったから。
椿は思い出さなくてはいけない気がした。
何で?…だっ‥けか……
しかし功がそれを止めさせた。
思い出したくないこともあると彼は知っていた。
「疲れたんだろ?」
疲れた。
「椿?」
深い眠りについて更に重くなる椿の身体。
まだ3時前で日は高い。
そして夏で人が密着するのは、耐え難いものがある。
これでは夏の暑さに勝てない。
熱い……
彼の場合、別の意味も含まれるが。
「タクシー拾うか……流石にキツい。」
功は本日2度目のタクシーを呼んだ。
タクシー運転手からは、まず半裸について疑問を飛ばされた。
暑いとだけ言ったのは問題だったかもしれない。
否、問題ありありだったが、彼には問題で無かったのが正しい。
無論、彼にとっての諸々の問題は背中に在った。
幸い運転手は半裸についてそこまで詮索してこなかった。
マンションに着くとあの長い階段を、再び椿を背負い5階まで上った。
皮肉にも、本社4階で階段が無いことに苛々した自分を呪いながら、休み休み。
部屋に入って見たら体中汗だくだった。
椿をベッドに寝かせ、功は冷蔵庫から出してペットボトルの水を飲む。
椿の目が開く。
「起きたのか?」
思い出したくない!
問われてもいないのに、ただ頭には拒絶しかなかった。
椿は声を発するや否や、功の背中に顔を埋めた。
本人は知らん顔だが一般人にとって、半裸の芸能人が大の男を背負い闊歩する姿は、目を向けすぎる訳にはいかない代物だった。
故に、幸か不幸か……勿論のこと、集るファンは皆無だった。
遠巻きに見る一般人。
記者も居たかもしれない。
それでもやはり、彼にとっては問題無いのだろう。
「……」
「暫く寝てて良い。」
返事が無くても功は気にしなかった。
ただ安心して欲しかったから。
椿は思い出さなくてはいけない気がした。
何で?…だっ‥けか……
しかし功がそれを止めさせた。
思い出したくないこともあると彼は知っていた。
「疲れたんだろ?」
疲れた。
「椿?」
深い眠りについて更に重くなる椿の身体。
まだ3時前で日は高い。
そして夏で人が密着するのは、耐え難いものがある。
これでは夏の暑さに勝てない。
熱い……
彼の場合、別の意味も含まれるが。
「タクシー拾うか……流石にキツい。」
功は本日2度目のタクシーを呼んだ。
タクシー運転手からは、まず半裸について疑問を飛ばされた。
暑いとだけ言ったのは問題だったかもしれない。
否、問題ありありだったが、彼には問題で無かったのが正しい。
無論、彼にとっての諸々の問題は背中に在った。
幸い運転手は半裸についてそこまで詮索してこなかった。
マンションに着くとあの長い階段を、再び椿を背負い5階まで上った。
皮肉にも、本社4階で階段が無いことに苛々した自分を呪いながら、休み休み。
部屋に入って見たら体中汗だくだった。
椿をベッドに寝かせ、功は冷蔵庫から出してペットボトルの水を飲む。