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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

目を閉じれば、そこにいるような気がして。
「……会いたいなんて、思ってはいけないのに。」
そう呟いたそのとき。
「ナディア。」
背後から、低く、深い声が降ってきた。
心臓が跳ねた。
振り向かずとも、その声が誰のものか、分かっていた。
「洗濯物か。ありがとう。」
カリーム王はソファの端に置かれた衣に視線を落とすと、ふいに私の方へと歩み寄った。
そして、首筋に顔を近づけてきた。
「……ユリーナの香りがする。」
「えっ……」
心臓が跳ねた。驚きと、少しの戸惑い。
私が、ユリーナ様と同じ香り……?
「遺品整理で染みついたんだろう。……いい香りだ。」
低く囁かれた声に、体が熱くなる。
私は何も言えず、ただ深く一礼すると、逃げるように部屋を後にした。
足音を聞かれないように静かに、でも早く。
けれど胸の鼓動だけは、どうしても抑えられなかった。
「……会いたいなんて、思ってはいけないのに。」
そう呟いたそのとき。
「ナディア。」
背後から、低く、深い声が降ってきた。
心臓が跳ねた。
振り向かずとも、その声が誰のものか、分かっていた。
「洗濯物か。ありがとう。」
カリーム王はソファの端に置かれた衣に視線を落とすと、ふいに私の方へと歩み寄った。
そして、首筋に顔を近づけてきた。
「……ユリーナの香りがする。」
「えっ……」
心臓が跳ねた。驚きと、少しの戸惑い。
私が、ユリーナ様と同じ香り……?
「遺品整理で染みついたんだろう。……いい香りだ。」
低く囁かれた声に、体が熱くなる。
私は何も言えず、ただ深く一礼すると、逃げるように部屋を後にした。
足音を聞かれないように静かに、でも早く。
けれど胸の鼓動だけは、どうしても抑えられなかった。

