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くっつく二人
第2章 高まる好奇心
 遂に先生は堪忍袋の緒が切れたのか、美希の机をバンと叩きつけた。
 美希は勿論驚いて、その場で、びくんと体を震わせた。

「貴方、今日もまた外を覗いて……そんなに私の教える授業が嫌なのかしら……!!」
 先生の迫力は凄まじく美希の身長が小さいためか、その姿は、より大きく見えた。

「今日もヤバそうだね……」
「うん……」
 そんな小声が、何処からか聞こえてくる。しかし美希にとっては、そんなこと、どうでもよかった。


「違いますっ! だから、その……」
 美希は非常に焦っている。その為か、出てくる言葉が思い浮かばない。

「流石に先生も怒りました!! 今から貴方は席替えをします!!」

「!? ……はぃ」
 美希は今いる場所から離れるのが嫌だった。ウグイスのことを、もっと見ていたかった。けれど今の美希には、そんな権利なく、そう答えるしかなかった。

「ちょうど中央の席が空いているので、そこに移動しなさい」
 美希は、どうにかして先生の機嫌を取りもしたいため、先生に従うしかなかった。


(あぁ、最悪だなぁ……)
 席替えをされてしまったことに、美希は落ち込んでいた。
 職員室に呼び出される方が、まだマシだったのに、とも思えた。


「あの……大丈夫……?」

「……じゃない……ん……?」
 聞いたことのある声だ。
 美希は顔を上げ、隣の席を覗いた。そこに居たのは、こちらを見て心配している蒼だった。美希の目が、驚きでぱっと開く。

(ここ、蒼の隣の席だったんだ……)

「「…………」」
 お互いに何だか気まずくなる。

 でも、まさか偶々この席にしてもらえるなんて偶然なかなかあることではないし、あの先生が美希と蒼のことを見ているとも思えない。

 だからこそ、それが何だか不思議に思えてきて……。
 そして、蒼と目が合った瞬間、美希は更なるドキドキを覚えていた。

 恋かもしれないドキドキを……。
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