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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第11章 須藤さんを待ち伏せて、根掘り葉掘り聞きまくろう大作戦開始ッ!

 ――なんて。
 そんなことあるわけがない。
 唯斗さんはあたしのものだ。
 絶対ぜったい、ぜぇ~ったい、誰にも渡さない!!
 そのために、姫美花さんの魅力をとことん教えて貰って、あたしは女を磨き上げるんだっ!

 あたしは突き立てた人差し指を仕舞って、拳を作ると胸の前に当てた。
 心密かに決意する。

「う~ん、教えてもいいけど……」
 須藤さんは少し考えてから、にっこり微笑んだ。
 なんだろう。
 ちょっと嫌な予感がする。

 もしかして、あたし、話を聞く相手をしくじったのではなかろうか。
 片桐さんに話を聞いた方が良かったのかも知れない……。
 あの人は姫美花さんのことが好きみたいだし、少し慕情が入るかもしれないけれど、より確かな情報を仕入れられたかもしれなかったのに……。

 後悔先に立たずとはこのことね。

 あたしはちょっと身構えて背筋を伸ばす。
 そうしたら――……。

 案の定だ。

「俺とデートしない?」

 須藤さんは軽い口調でそう言ってのけた。

「デート?」
「そ、デート。明後日、俺半休なんだよね、昼飯も兼ねて午後1時からはどう?」

 あたしは唯斗さん一筋だ。
 他の男の人に興味はない。
 それに厄介なことに巻き込まれたくもない……。


 えっと……。

 どうやって断ろう。

「彼女さんに怒られませんか?」
 暗に誘いを断ろうと探りを入れるあたしに対して、須藤さんは――というと……。


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