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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第17章 ただ腕の中で漂う。

 唯斗さんはそんなあたしを見ても少しも嫌悪感を見せなかった。
 あたしを貶めたおじさんに怒りを露わにして罵る。

「お尻、叩かれたのは、あ、たしが……きたな、い……から……だ、から、アナル、にも無理矢理、挿入れられて――」
「叩いた? アナルも挿入したのか、あのクソが!」
 唯斗さんの怒声がバスルームに響いた。

「っひ、ごめ、なさっ!」
 汚くてごめんなさいと、あたしはなんとか声に出して謝罪する。
 好きな人にどんなにあたしが穢らわしい存在なのかを知られて悲しくなる。

 目頭が熱い。
 涙が視界を覆っている。
 滲んで何も見えなくて、あたしは息さえもできなくなって苦しみを訴える胸を押さえた。
 打ちひしがれたあたしは泣くことしかできない。


「澪ちゃんっ!」
 だけど唯斗さんはすごく優しい。
 あたしの頭を広い胸板に引き寄せ、抱きしめてくれた。


「澪ちゃんは綺麗だよ、穢されることなんてない。ずっと綺麗なままだ……。だけどこの中も綺麗にしておかなきゃいけないんだ。少し圧迫感があると思うけれど、我慢して……」
 指が行ったり来たりを繰り返し、中をコリコリ擦られる。


「あ、っぐ!」
「良い子だ。もうすぐ終わるからね」
 アナルに侵入する指が2本になる。
 最後だと言わんばかりに思いきり奥を掻き出した。

「あ、ああっ!」
 どうしよう。
 やっぱりあたし、おかしい。
 おじさんに触れられた時は嫌悪感でいっぱいだったのに、唯斗さんなら平気なの。


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