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銀狼
第8章 雨(アマ)の鎮魂歌
「…ハァ…ハァ‥‥うそ‥‥っ!…ハァッ」
セレナの息が次第に荒くなる。
額には汗が滲み、意識が霞むような錯覚に陥る。
「苦しいか? 折角の薬も加減を間違えば毒と変わるか…」
「……ッ‥く‥‥ハ ァ…っ」
目の前の男を睨み付けたつもりでも、彼女の目はとっくに蕩けてしまっていた。
ガシッ
「──はぁッん…っ」
手当てのために袖を破りとられていた左腕を銀狼が掴むと、たったそれだけなのにセレナの身体は異常な反応を見せる。
身体を支配する神経の全てが、肌の表面に浮き上がってきたかのような…それほど敏感になっていた。
「…‥ぁぁ‥っ‥ハァ‥ッ‥ハァ……//……さ……触ってはダメ‥‥っ」
「…なるほど随分と熱くなっている。この様子では意識以前に、肉体の方がもたない」
過度な量は毒となる。
薬の筈が、強い媚薬となり…
媚薬の効果を通り過ぎて、命までが危なくなる。
──セレナの状態は少々危険だ。
「‥‥‥た‥…た、‥すけて‥‥ッ……ハァ‥ハァ…っ‥……苦しイ…‥!!‥ぁっ//……ハァ…」
「──…いいだろう」
こんなくだらないことで死なれても
困るからな。