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銀狼
第9章 禁忌の果実を貪れ──

雨は止んだにも関わらず、セレナの頬を流れ落ちる水滴にはなんの変化も起きはしない。

唇を塞がれたままゆっくりと瞬きをすれば、顎を掴んだローの手に大きな粒が滴った。


彼は一端 唇を離すと

セレナの頬に舌をあてる。


「──…塩辛いな」


そう言って眉をしかめさせ再び唇を重ねた。



「…‥‥う‥‥ウん‥」

「口を開けろ……セレナ…」


気付いた時には口を開けてしまっていた。

その代わりセレナは目を閉じて暗闇にひたった。

地についていた片手をローの肩に添え…

大人しく彼に口内を捧げる。



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