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銀狼
第2章 禁断の森
それはちょうど夕暮れ時であった。
整備のいき届いているとは言えない荒廃した一本道を、数頭の馬に乗った男達が慌ただしく駆けていく。
人の往来を感じさせないその道は、草が多く顔を出し、無造作に転がる石で馬たちの蹄( ヒヅメ )の邪魔をした。
それでも馬を操る男達は速さを変えず
蹴られた礫( ツブテ )が跳ね上がる。
周りを生い茂る木々に囲まれたこの薄暗さで、彼等の様相を識別するのは難であるが──
どうやら──
その集団にいるのは、男だけではないようだ。