この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華のしずく~あなた色に染められて~
第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 ~月華~
しかし、初めて客を取らされた夜、母は自ら首を吊って死んだ。まだ二十代半ばであった。月姫は下働きとしてそのまま、女郎屋で働き続け、十三になった歳から、客を取らされた。妹も物心つくかつかない中から、店の雑用やら使い走りやらに従事することになった。
たった一人の妹のために、月姫は異国の男に触れられるおぞましい想いにも懸命に耐えたが、妹はわずか五つの春に風邪をこじらせたのが因(もと)で夭折した。月姫は、十五になっていた。
たった一人の妹のために、月姫は異国の男に触れられるおぞましい想いにも懸命に耐えたが、妹はわずか五つの春に風邪をこじらせたのが因(もと)で夭折した。月姫は、十五になっていた。