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華のしずく~あなた色に染められて~
第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 ~月華~
それも道理だろう。月姫の髪は茶金色、肌は白く、まるで西洋人形のように華やかな美貌であるが、ひとめ見て南蛮人だと判る。そんな異国の女がきらびやかな小袖を着て、こんな場所にいるのだから―。月姫の表情のよく動く蒼い瞳が男の黒い瞳を捉えた。
男の視線が月姫の持つ紅い傘に向けられている。月姫は妖艶に微笑むと、もう一度、傘をくるくると回した。雨の宵ならばともかく、月夜に傘とはいかにも不似合いである。
男の視線が月姫の持つ紅い傘に向けられている。月姫は妖艶に微笑むと、もう一度、傘をくるくると回した。雨の宵ならばともかく、月夜に傘とはいかにも不似合いである。