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華のしずく~あなた色に染められて~
第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 ~月華~
「名は?」
 問われて、月姫は応えた。
「月姫(つきひ)」
「月姫?」
 小首を傾げる男―信太郎に月姫は淡く笑った。
「たかたが女郎風情に月の姫なんぞ、たいそうな名でございましょう?」
「月の姫か」
 だが、自嘲気味に言った月姫の言葉を男は別の意味に解釈したようだった。
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