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華のしずく~あなた色に染められて~
第2章 二
 はい、と、珠々はもう一度応えた。珠々の微笑につられるように、信成も屈託なく笑った。二人の他には誰も聞いてはおらぬ口だけの約束である。ただ、黙した石榴の樹だけが赤い実をたわわに実らせて、静かに立っていた。だが、珠々にとっては、それは確かな約束であった。
                 
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