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華のしずく~あなた色に染められて~
第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 ~月華~
「―怖いか?」
訊ねられ、月姫はためらいがちに首を振る。深い真っすぐな眼差し、その双眸は月姫がいつも見慣れている、欲望にぎらつく獣のような男たちの眼とは違う。もっと穏やかな、優しい光を宿していた。
「愛している」
淡々とした響きの言葉とは裏腹に、月姫の唇を塞いだ男の唇は熱かった。帯を解かれ、肩から胸へとむき出しにされた身体にひんやりとした夜の空気が感じられた。