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華のしずく~あなた色に染められて~
第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 ~月華~
月姫はそれでも構わないと思った。信太郎が己れについて話さないのは何かそれなりの深い理由(わけ)があることが判ったし、月姫は何より彼自身を愛し必要としていたゆえ、その氏素性なぞどうでも良かったのだ。
その反対に、月姫は自分の身の上のことを信太郎に話した。自分の両親がポルトガル人であること、父が鉄砲を商う商人であったが、領主が別の商人からより優れた鉄砲を買い入れたため、多額の借金を作り失跡したこと。
その反対に、月姫は自分の身の上のことを信太郎に話した。自分の両親がポルトガル人であること、父が鉄砲を商う商人であったが、領主が別の商人からより優れた鉄砲を買い入れたため、多額の借金を作り失跡したこと。