この作品は18歳未満閲覧禁止です
華のしずく~あなた色に染められて~
第27章 【月華~月姫-TSUKIHI-~華のしずく~】 幻の蝶
「許せ。そなたには辛き想いをさせる」
秀信が月姫を抱きしめ、耳許で囁いた。
「私は殿のお傍にこうしていさせて頂くだけで、幸せでござりますもの」
月姫が涙に濡れた眼で秀信を見つめた。湖のような蒼い瞳が深みを増して、潤んでいる。
刹那、月姫はよりいっそう強く抱きしめられた。
「可愛いことを申す。月姫、わしにはそなただけよ、たとえ、あの女が何と申そうと、そなたさえおればそれで良い」