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華のしずく~あなた色に染められて~
第27章 【月華~月姫-TSUKIHI-~華のしずく~】 幻の蝶
それは、とても陰湿なもので、定子の憤りと嫉妬深さをよく物語っていた。そんなことから秀信の心は定子からますます離れ、月姫を守ろうと傾いてゆく。月姫は定子の悪口をけして秀信に言うわけでもなく、健気に耐えている。そのいじらしい姿は秀信の月姫への寵愛を狂おしいほどのものへと駆りたてた。
そんな中で、翌年、月姫の懐妊が明らかになり、その年の秋、月姫は秀信の第四子となる男児を出産した。生まれた若君は千手丸(せんじゅまる)と名づけられた。
そんな中で、翌年、月姫の懐妊が明らかになり、その年の秋、月姫は秀信の第四子となる男児を出産した。生まれた若君は千手丸(せんじゅまる)と名づけられた。