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第28章 【剣（KEN）～華のしずく～】　運命の邂逅

　青年の言葉に、老婆は首を振った。
「銭なぞ取ろうとは思うてはおらぬ。ただ、そなたに告げたいことがあったゆえ、呼び止めたまでのこと」
　青年は人混みを避けて、老婆の方に近寄った。自分もしゃがみ込んで、老婆の目線の高さになる。間近で見れば見るほど、貧相な老婆であった。今にも折れ曲がりそうなほど曲がった腰、真っ白になった髪、皺だらけの顔、皺に埋もれるような細い眼は閉じられたままだ。