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第28章 【剣（KEN）～華のしずく～】　運命の邂逅

　そうすれば、龍伍や浅太のように親に見棄てられる子だって、いなくなるに違いない。皆が幸せに穏やかに暮らせる社会には、棄て子なんか存在しないはずだ。
―やーい、親なしっ子。棄てられっ子。
　石飛礫を投げられ、はやし立てられ、逃げるように浅太と生きてきたこの十八年間、龍伍には、ちっとも良いことなんかなかった。もし言えるとするならば、兄弟も同然と思っている浅太とめぐり逢えたことくらいのものだ。