この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華のしずく~あなた色に染められて~
第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意
本当に哀しい時、人は涙すら涸れ果てるものなのかもしれないと、この時、龍伍は 初めて知った。
龍伍はふいに立ち止まった。今宵は満月であった。月明かりの下、龍伍は静かにあの長刀を鞘から抜いた。
きらめく月光を受けて、刃が輝きを放つ。
龍伍は切れ長の眼(まなこ)をすっと細めた。龍伍の眼に、今、輝く蒼い瞳が映っていた。それは、長刀の柄に施されている龍の双眸である。まるで魅入られたかのように、龍伍は蒼い双(ふた)つの輝きを見つめる。
龍伍はふいに立ち止まった。今宵は満月であった。月明かりの下、龍伍は静かにあの長刀を鞘から抜いた。
きらめく月光を受けて、刃が輝きを放つ。
龍伍は切れ長の眼(まなこ)をすっと細めた。龍伍の眼に、今、輝く蒼い瞳が映っていた。それは、長刀の柄に施されている龍の双眸である。まるで魅入られたかのように、龍伍は蒼い双(ふた)つの輝きを見つめる。